虫歯、歯周病、事故など…
人間は年齢を重ねるにつれ、失う歯が増えていきます。過去に厚生労働省が行なった調査では、日本人が80歳の時に残っている歯の本数は僅か8本だったそうです。人にもよりますが永久歯は28本ですので、約20本を失っていることになります。

歯を失ってしまった後はどうするか…
歯科治療では、インプラント、ブリッジ、そして「入れ歯」で失った歯を補います。それぞれにメリット、デメリットはありますが、一番知られているのは「入れ歯」ではないでしょうか。そして、その「入れ歯」にも様々な違いがあるのです。

しっかりと「噛める」入れ歯しっかりと「噛める」入れ歯

「入れ歯」は、ほとんどの方に適応ができる治療法です。
自然な噛み心地や違和感の無さはインプラント治療に軍配が上がりますが、入れ歯の種類によっては、インプラント治療が難しい方でも違和感の少ないしっかり噛める入れ歯が作れます。保険の入れ歯の場合、よく聞くご意見として「違和感がある」「堅い物が食べられない」「見た目が気になる」と言ったお声を伺いますが、保険適応外の入れ歯であれば、見た目も気にならず堅い物でもしっかり噛める入れ歯を作ることが可能です。

入れ歯の素材には大きく分けて2つあります。
プラスチック製(保険適応)と金属製(保険適応外)で、それぞれに特徴があります。

保険適応のプラスチック製入れ歯は、プラスチックを使用するため、入れ歯に厚みが出てしまい、食べ物の温かさや冷たさ等の触感が感じにくくなってしまいます。食べ物の温度を感じにくくなるため、火傷に注意が必要です。金属製(チタンやコバルトクロム)の場合は、熱伝導性に優れた金属を使うため、プラスチック製に比べて、食べ物の温かさや冷たさを感じやすく、食べ物を口に入れた瞬間に温度を感じることができます。また、プラスチック製に比べて丈夫で割れににくく、安定した噛み心地を得ることができるのも特徴です。

チタン床総義歯

薄く、軽いチタンベースの入れ歯です。薄く軽いので、装着時も違和感が少なく、軽いつけ心地です。また、硬さもあるため丈夫で割れにくく、安定した噛み心地になります。
金属製ですが、チタンはインプラントやペースメーカーなどにも使われる素材で、金属アレルギーになりにくい特徴があり、多くの方に適用できる素材です。
※保険適応外の素材です。

コバルトクロム床総義歯

薄く、軽いコバルトクロムベースの入れ歯です。
薄く軽いので、装着時も違和感が少なく、軽いつけ心地で、硬さもあるため丈夫で割れにくく、安定した噛み心地になりますが、それぞれチタン製に比べると劣ります。金属製のため、人によっては金属アレルギーになることがあります。
※保険適応外の素材です。

プラスチック義歯(保険適応)

保険適応のプラスチック製入れ歯です。安価で製作できるためコストを抑えたい方には合っていますが、強度を保つために粘膜部分が厚めに作られており装着時は大きな違和感があります。
割れたり変形しやすく、耐久性は高くありません。また、厚さが増してしまうため金属製よりも重くなり「噛む」という動作にも若干影響が出てしまいます。